Season02
Location: HoshinoResorts Tomamu
Photo: Wataru Sugimura
Direction: Lisa Obinata
旭川エリアの雪に魅せられた3人が語る
星野佳路×佐々木大輔×若山泰生
-
- 星野佳路
- 1960年生まれ、長野県軽井沢町出身。家業である軽井沢の老舗温泉旅館「星野温泉」を引き継ぎ、1991年、代表取締役社長に就任。星野リゾートとして、全国各地のリゾート再生を手がける。現在、ラグジュアリーホテル「星のや」、温泉旅館「界」、西洋型リゾート「リゾナーレ」、都市観光ホテル「OMO」、ルーズに過ごせるホテル「BEB」のほか、スキー場(トマム、アルツ磐梯、猫魔)運営など、国内外に45ヶ所の施設を展開する。年間滑走日数60日という大のスキー愛好家。
-
- 佐々木大輔
- 1977年生まれ、北海道札幌市出身。山岳ガイド。少年期より山と冒険に憧れをもち、1990年より本格的な登山を開始。アラスカやネパール、グリーンランド、ヨーロッパアルプス、中国、南米、利尻岳西壁など国内外各地の難所でのスキー滑降や登山を成功させてきた日本を代表する山岳スキーヤー。第51次南極観測隊フィールドアシスタント、国立登山研修所講師なども務め、自身のキャリアを生かし多方面で活躍。国際山岳ガイド連盟認定国際山岳ガイド。「GUIDE BANKEI」主宰。
-
- 若山泰生
- 1968年生まれ、東京都出身。1987年渡仏、シャモニ、ツェルマットなどヨーロッパのリゾートで7シーズンをスキーと登山をして過ごす。90年代初頭からカムチャッカ、天山山脈などヘリスキーを開拓。北欧の良質なアウトドアブランドを輸入販売する有限会社フルマークス代表取締役社長。長らくスキーヤーの冒険をサポートしたり、専門誌を支援したりと、日本のフリースキー界の発展を支えてきたひとり。SAJ競技本部担当理事。ここ5年は自身2度目のスノーボードの大ブーム到来中。
- 前編
- 北海道パウダーベルトという構想と山を滑るマナー(1/3)
星野リゾートではトマムの他に、2018年からOMO7旭川の運営もスタートしました。
旭川〜トマムをつなぐ一帯を「北海道パウダーベルト」として世界に発信してゆくとのことですが、
そこにはどんな背景があったのですか?
- 星野
- 北海道観光の中で夏は旭川や富良野に人が周遊する観光スタイルが成り立っていますが、冬になった途端にニセコなど西側が集客の中心になります。私は2004年からトマムを経営していて、どうしたら冬に道東にも人が来ていただけるか、常に考えてきました。雪の量は少ないかもしれないけれども、専門家に聞くと、こちらの雪は質がいいと言う。量は少なくても質がいい。それはまさに観光の価値そのもの。雪の質がいいのなら、もっと注目していただくことができるのでは、と思いました。たまたま旭川のホテルを運営することになり、トマムから旭川まで東側のベルト状の地域にパウダースノーが降り注いでいるイメージを出そうと考えています。
北海道パウダーベルトとは、北海道の中央に位置し、世界でも有数のパウダースノーを楽しめる、トマム、富良野、カムイ、黒岳などのスキーエリアの総称です。険しい雪山から、ローカルのスキー場、リゾートのスキー場まで、世界の山を知る上級者から、バックカントリー初心者まで、冬山を十分にお楽みいただける環境が整っています。
北海道の各地を滑っている大輔さんから見ると、旭川エリアというのはどういった位置付けですか?
- 大輔
- 僕はバックカントリーをガイドするときにベースとするのが、小樽、札幌、旭川なんですよ。旭川だと、幌加内(ほろかない)あたりに行くことが多いんです。でも最近、雪のクオリティという意味では、幌加内もちょっと重くなってきていて、質のいい雪というと、旭川、旭岳、黒岳、富良野、トマム近辺という感覚があります。海外の方から「JAPOW」呼ばれるパウダースノーの最高級ブランドに、「パウダーベルト」と呼ぶエリアは入るかなと思います。ただちょっと厳しめな意見でいうと、トマムあたりはちょっと雪の量が減る。ガイドの間ではここら辺のことを「石勝(せきしょう)高原」と呼んでいるんです。雪の量は少ないけれども、気温が上がらないエリア。だから長く、いい雪がキープされるんですね。雪質においては、JAPOWよりもワンランク上、「羽パウ」と言ったりしますね。
若山さんはその雪質もあって、首都圏から長く旭川エリアに通っているんですよね。
どんなところが気に入っていますか?
- 若山
- 旭川に通うようになって7年くらい経ちます。旭川や富良野に住んでいるスキーヤー、スノーボーダーと一緒に滑ることが多くて、すっかり虜になりました。この地域はあまり人が多くないのがいいですね。最近どうしても外国人が増えて、日本人だけのルールでは通らないようなエリアが増えているけれど、ここはまだ自由さや、昔ながらな雰囲気がある。それが個人的には好きですね。
- 星野
- ローカルの常識が通用しているということですか?
- 若山
- 外国人が増えるとどうしても彼らのやり方というのがあるから、そうすると、日本人が今までやっていた方法とは違ったりするんですね。郷に入れば郷に従え、と思うけれども、そうもいかなかったりするんですよね。
トマムの上質なパウダースノーで雪煙を巻き上げる若山泰生。シーズン中、頻繁に北海道に通う。年間滑走日数100日を目指すほど滑り好き。
- 星野
- 具体的には何が違うんですか?
- 大輔
- バックカントリーの例だと、彼らは斜面をトラバースしてしまうことが多いんです。上から下まで、まっすぐ滑ればみんな幸せに滑れるのに、斜めに滑ってしまうからみんなで斜面をシェアできないんですよ。
- 若山
- あとは滑る面を登ってしまったり。僕らは滑る面は綺麗に残しておきたいから、ちょっと遠回りしてでも空けて登るのに、みんな滑る面を登るから、滑る面がギッタギタになっていたりするんです。
- 大輔
- 要は外国の人たちは慣れてないんですよ。
雪があまり降らないオーストラリアの人だったり。
- 星野
- それは伝えれば納得してくれるのではないですか?
- 大輔
- そうですね。
雪を楽しめる星野リゾートの施設
-
星野リゾート トマム
北海道・勇払郡大雪原を遊び尽くすスノーワールド。北海道ならではの極上パウダースノーを存分に楽しめます。
-
界 ポロト
北海道・白老町ポロト湖の懐にひたる、とんがり湯小屋の宿。
-
OMO7 旭川
北海道・旭川市スキー都市「旭川」から雪山へ! 大雪山旭岳、カムイスキーリンクスへ宿泊者無料送迎バスも運行。
-
OMO5 小樽
北海道・小樽市レトロな港町、小樽の新しい魅力を提案する都市観光ホテル
-
OMO3 札幌すすきの
北海道・札幌市食で満たされ幸せな夜を過ごす都市観光ホテル
-
青森屋
青森県・三沢市青森の魅力満載の宿には、ねぶたなど青森三大祭りの山車が勢ぞろい。
-
奥入瀬渓流ホテル
青森県・十和田市八甲田山から湧き出る天然温泉で温まったら、雪と氷の景色が圧巻の渓流散策がおすすめです。
-
界 津軽
青森県・大鰐町りんご湯に浸かりながらの雪見風呂やかまくらを楽しみ、大間マグロを味わう冬の上質な滞在。
-
アルツ磐梯
福島県・耶麻郡圧倒的なスケールは東北最大規模。フリースタイルパークの豊富さも国際級。
-
猫魔スキー場
福島県・耶麻郡パウダースノーで有名な猫魔の雪質は、誰の滑りも満足させます。5月までウエルカム。
-
リゾナーレ八ヶ岳
山梨県・北杜市日本を代表するデザインホテルはお洒落な宝箱。ファミリースキーをフルサポート。
-
界 アルプス
長野県・大町市雪国のアーケード「雁木(がんぎ)」に沿って両側に客室や温泉棟が建ち並び、アルプスの絶景と雪解け水をたたえた川を望みます。