旭川エリアの雪に魅せられた3人が語る
星野佳路×佐々木大輔×若山泰生

後編
スキー都市宣言「旭川」の魅力(1/3)

星野リゾートが提唱している、山の麓ではなく都市の旭川に泊まって滑るというプランには、どんな魅力があるのでしょう?

星野
OMO7旭川では「旭川、スキー都市宣言」というのを進めているんです。2004年にトマムの運営をスタートした時「冬山解放宣言」というのをやったんですけど、今度はスキー都市宣言。旭川には、スキー場に泊まらない魅力ってあるんですよ。それは朝起きてから、いろんなスキー場を選べるってことと、アフタースキーの夕食のバラエティと価格が圧倒的に市内は強いんですね。雪山に行けないような天候の時には旭山動物園に行って楽しむとか、市内でミュージアムやギャラリーを楽しむとか、都市に滞在して、周りを楽しむというのは、実は北海道ならではの魅力だと思っています。

2004年、トマムが仕掛けた冬山解放宣言はゲレンデの枠を越えたワイルドな遊びの提案として話題を呼んだ

若山
翌日の天気予報を見て、名寄だ、富良野だって、スキー場の選択肢がすごくいっぱいあるから、それができるのが旭川の良さですよね。それに、夜、お酒を飲める店の選択肢が多いのがいい。ニセコ泊まればニセコ、キロロ泊まったらキロロ、白馬泊まったら翌朝、志賀高原には行かない。でも長野市内に泊まったら1時間圏内でいろんな選択肢があるのと同じですね。夜は飲みに行けるし。
大輔
飲みが重要なんですね(笑)
星野
つまり「食」ですよね。価格と食のバランスから言うと、リゾートに泊まるより、都市に泊まった方が良い面もありますね。
若山
例えば長野市内なら、リーズナブルなビジネスホテルも多いし、お正月とかでも7000~8000円で泊まれたりしますからね。もちろんリゾートホテルもいいですが、僕は街中ステイ、好きですね。
星野
OMO7旭川もまさにそれですね。ビジネス客ではなく、都市観光客をターゲットにしているんです。
若山
長野市内にもOMO作ってくださいよ(笑)
星野
いやいや、長野市はまだないんですけれど、全国の都市から運営のお話をいただいています。ビジネスホテルは各地にありますが「都市観光ホテル」というのは少なかったんです。声をかけていただくケースが多くて一生懸命検討しているところなんです。
若山
長野市はいいですよ。戸隠、妙高、志賀高原、野沢、白馬と大体1時間圏内ですよ。
星野
雪山に近い都市はまだあまり声をかけていただけてないんですよ。もしかしたら話が来ても社員からあえて外されているのかもしれませんね、私が「スキーロッカー作れ」とか細かいこと言い出すから(笑)
一同

OMO7旭川にはスキーヤー、スノーボーダー同士が交流できるラウンジも設置

OMO7旭川では、スキーやスノーボードのお客さん向けのコンテンツも多いですが、そのアイデアは星野さんの意見が多いんですか?

星野
ある程度集客見込めたら僕は口を出すこともないんですが、冬の旭川の集客って厳しいんです。だったら、北海道パウダーベルトのエリアにいらっしゃっている、これから増えてくる方々にも泊まっていただけるような良い具合の観光ホテルを作ろうじゃないかと提案しています。足がなくても、ホテルの目の前から無料送迎バスで近隣のスキー場に行けるようにしてるんです。
大輔
次は雪山コンシェルジュですね。今日のコンディションならここがオススメです、というように。
星野
少しずつそういう機能も追加してします。雪山イベントを開催したり情報提供をしていますよ。
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雪を楽しめる星野リゾートの施設