旭川エリアの雪に魅せられた3人が語る
星野佳路×佐々木大輔×若山泰生

後編
スキー都市宣言「旭川」の魅力(2/3)

若山さんは泊まってみていかがでしたか?

若山
自由に使えるワックスが何種類も置いてあって、アイロンあるなんてところ、他ではまず無いよね。板だけ持っていけばOKというのは。朝、大浴場に入れないのが唯一の弱点かな。

30種類ものスノーワックスが無料で使えるメンテナンススペースWAX BAR

星野
OMO7旭川は開業して3年目。初めてニーズがわかるころですね。細かく毎年改善して行くのが強みと思っています。
若山
朝風呂と朝ヨガやりましょうよ。
星野
いいですね! うちはそういう声あるとすぐやりますから。でもお客様がいらっしゃらなければすぐやめますけど(笑)
若山
星野さんと一緒に行ったカナダのチャッタークリーク(ロッジ滞在型の雪上車スキーツアー)でもそうでしたよね。朝40分くらい、滑る前のヨガ兼ストレッチの時間があって。その時のお客さん男性ばかりでしたね。そんなのが日本でもあるといいなと思います。
星野
旭川エリアも外国人が少しずつ増えてきていて、海外から来る方たちは、いくつかの地域を堪能して帰るというパターンが多いです。パウダーベルトを移動しながら楽しんでもらうというのが将来的にいいのでは、と思っています。
大輔
僕も再来週、海外からのゲストが1週間入っているんですが、小樽1泊、かみほろ1泊、旭岳2泊、旭川1泊と組みました。
若山
2年前、僕も大輔のガイドの手伝いで、この辺りを滑ったけれど、そんなに高い山じゃないのに、雪は独特で、よかったね。
大輔
この辺りの「羽パウ」は貴重ですね。本当に羽パウ積もるとマジックな雪。同じような雪質はアメリカのソルトレイクシティやコロラドぐらいですよね。あそこは内陸で3000m級だからそんなに降らないんだけど、降ると軽いのがふわっと。でも、この辺りの雪が世界一と言えると思いますよ。

星野さんは、OMO7旭川を始めるまでこの辺りの雪質を体感していたのですか?

星野
全然ないんです。運営会社なので、私が場所を選ぶことはないんですけど、旭川から話が来た時のテンションの上がり方は・・・(笑)まず行こう!という気持ちになりましたね。プロジェクトの進行が冬だったので、なぜか私が深く関わって頻繁に通いましたね。
若山
その時、旭川空港でばったりお会いしましたよね(笑)
星野
そうでしたね。

近所の酒場やラーメン屋を案内してくれる「ご近所ガイドOMOレンジャー」という取り組みも面白いですね。

星野
都市観光ホテルではビジネス客をターゲットにしない、という選択をしたんです。ビジネルホテルはたくさんあったから。どうやったら都市観光客に集中できるのか、というアイデアから「OMOレンジャー」というのが出てきたんです。
一番評判が良いのが、スーパーマーケットレンジャー。地元のスーパーに顧客を連れていくと、平均2300円買ってしまうんですよ。OMOレンジャーが来るというと、店長さんが出てきてくれるほど。売っているものが違うから、他の地域から来た人は面白い。ジンギスカンの材料とかね、セレクションが違うんですよ。すごい経済効果だと思います。地域のスーパーは観光拠点なんだな、と思います。長野県のツルヤもそうですね。別荘客が必ず帰る前に買っていきますよね。地場のスーパーが観光の魅力になって来ている感じがします。

OMOレンジャーが案内するご近所アクティビティには「雪バカ御用達酒場ツアー」というプログラムもある

大輔
OMOレンジャーは夜の街も案内するんですか?
星野
しますよ。はしごっていうのがコンセプト。はしごラーメンツアーというのもあるんです。OMOレンジャーがお客様を連れてく時は量を1/5くらいにしてもらうよう、ラーメン屋さんに事前にお願いしてるんです。それで5軒回るのが面白いんです。
大輔
僕も旭川よく行くからOMOレンジャーに参加したいな。旭川の街はサイズ感がいいんですよね。札幌ほど大きすぎなくて。
星野
そうですね、ナショナルチェーンじゃなくてローカルな人たちがやっている店が多いのもいいですね。
大輔
ちょっとノスタルジックな店もあったり。
若山
僕は会社がある野毛(横浜市)でよく飲み歩くんだけど、似てるんです。だからアウェー感全くなくて、ホーム感がいいですね。
星野
そこに人が増えすぎた時に、ホーム感がなくなったりするのは気をつけないとならないですね。マナーを伝えたり、ルール作りが必要になってくるのかもしれませんね。
若山
すでに外国人けっこう来てますけどね。今のところ嫌な感じはしないですね。
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雪を楽しめる星野リゾートの施設